“ LUZ HQから飛び出し2on2コートを持って旅に出る ”
Text by Shunsuke Tsurumi (LUZ crew)
今回僕達が向かった旅先は、群馬県桐生市にある本当にスペシャルなお店、【Purveyors】(パーヴェイヤーズ)が主催する"Venture Onward"というイベントだ。"Venture Onward"はPurveyorsが管理するCAMP場【利平茶屋森林公園キャンプ場】をまるまる1個イベント会場にして食・音楽・CAMP・酒にサウナにお店にスポーツにという各分野で活躍する沢山の出店があってその全てを楽しみ、更にそのままテント泊も出来るというまるで夢のようなイベント。僕たちはSPORTSを担当するために向かった。
朝の5時に集合し群馬県桐生へ朝早めのドライブ。このイベントの行き帰りの車中の雰囲気が僕はたまらなく好きだったりする。イベント前はこれから起こるイベントを前にドキドキしながらも仲間と会話を楽しむ。オフィスワークの中では話さないことも話すことができる不思議な時間。晴れ渡る空の下、気持ちよく高速道路を降りて、長く続く山の登坂を登りキャンプ場へと到着。標高1,000mの赤城山登山口に位置しているので車を降りた瞬間、つんざくようなピリッとした冷気の洗礼を受ける。
【山に着いたな】と肌で実感。僕たちが担当するのはSPORTS。今回は子供が2on2出来るくらいのサイズでコートを設営。その隣にはLHQ POP UP SHOPも併設し今までで一番大自然に囲まれ、空気の美味しいSHOPになった。
やっぱり2on2参加メインは子供たち。知らない子供同士でも一緒に蹴りあえばもう仲が良くなる。始めは1on1から始まり2人組が参戦してきたら1on1で対戦していた子たちがタッグを組んで2on2を楽しむ。たまにお父さんが参加したり、KAKKYが助っ人に入ったりとフットボールを満喫。同じフィールドにはライブ会場もあって、何とbirdさんの生ライブの最中に2on2を楽しむなんていうとても贅沢な時間があったり、大自然と音楽とフットボールがある空間をLUZ Crew皆で楽しんだ。蹴った後は、久しぶりのMICOTOYA パッタイ。そしてiFNI Coffeeの美味しいコーヒーを食後に頂き、太陽を浴びたイイ時間が流れる、、、、
それも束の間、大自然の気まぐれで何と天気が急変し、雪が降ってきた!始めは少しぱらつく程度だったので、『すぐ止むでしょ』と思っていたが、固めのみぞれのような雪はドンドン地面に積もり始め、地面が一気に白に染まり始めた。風も吹いてきてSHOP運営が困難だと判断した僕たちは即撤収を決め、2on2コートの板のみをテントで覆い、テントの足に重りをしっかり乗せて撤収する事に。
山ならではのアクシデント。かじかんだ手でその後に食べたBurgerManiaのハンバーガーが暖かくて本当に美味しかった。この時に食べたハンバーガーが今までの人生で一番美味しいと思ったほどだ。お風呂に入り、夜10時に就寝。バンガローに泊まったのだが、ストーブなしの僕らはダウンを着て寝袋に入る。何とか寒さを凌ぎ、朝早いのと疲労もあって直ぐに眠りに入ることが出来た。
しかし、またしても大自然の気まぐれが起きる。
夜中の3時にまるで波のように遠くからゴーッという音がドンドン近づいていきて、バンガローを急襲する。今まで聞いたことのないような風の音だった。まさに暴風という表現がピッタリ。群馬の空っ風とはこの事か。外に出る事すら危険を感じる暴風。周りのテントで泊まる方々やイベントスペースにある舞台テント、そして僕らが荷物を置いてきたテントは無事だろうか、、、不安の中、寝ては起きての繰り返し。朝日が出始めて外に出ると、本当に嵐が来た後のような光景に皆ビックリ。自分たちのテントも当然のように足から折れて吹き飛ばされていた。。。イベントも2日目は急遽中止という事になり、僕たちは即切り替えてCAMP場を後にして、桐生駅近くにあるPurveyorsのお店に行くことにした。
キャンプ場から車で1時間弱のドライブ。山々の合間には川があったり、大自然の風景が広がり僕たちを飽きさせない。すると単線の線路が見えて、昭和初期に建てられたような木造の何とも雰囲気のある駅に吸い寄せられるように僕たちは寄り道をした。寄り道はLUZ Crewの真骨頂。即興でいい場所を見つけては撮影をするというスタイルはLUZ創業期から変わらず受け継がれる事だろう。何より旅に寄り道はつきもので、そこでの出会いがまた思い出になったりするものだ。
昔はJRの新宿に勤めていて定年退職後にこの駅を管理しているという駅長は凄くいい人で撮影も許可してくれて、これからクリスマスイルミネーションを駅に飾るんだと嬉しそうに作業をしていた。電車一筋で働いていた人がこんな大自然の単線の駅で定年後働くって、、、凄く理想だなと感じた。僕たちでいったら定年後大自然のサッカーグラウンドの管理人をやっているようなイメージなのかな。それも悪くないだろうと思う。
目的地Purveyorsに到着。
以前は鉄工所だったその場所は本当に素晴らしい空間。1階はレストラン、2階は厳選されたアウトドアグッズが販売されており、3階は主にアパレル、(この日は全国的に有名で中々POP UPなどに出ないというブランドさんのPOP UPを開催していた)3階の半分は太陽の陽を存分に味わえる気持ちのいいテラス。Purveyorsっていうのは“調達人” “御用達”を意味していてPurveyorsが調達人として旅をしながらセレクトした商品がお客様の御用達になってくれたらという思いが込められていてアウトドアのみにカテゴライズされずに、アパレル、ライフスタイルすべてPurveyorsの偏った目線でセレクトしている。
これから登山に、キャンプに入る前に腹ごしらえをして装備を整えるお店のように僕は感じた。ただ、セレクトされているものだったり、細部までこだわった世界観、アート感に没頭するあまり、半日以上居てしまうのではというくらい居心地が良かったのでお店に行くなら時間に余裕を持っていったほうがいいと思う。
【旅、フィールドワークをもっと日常生活へ】というコンセプトもある。僕らで言うと【FOOTBALL cultureをもっと根付かせたい】その精神は同じでそれがFOOTBALLなのかアウトドアなのかという違い。
"Venture Onward" 前へ進む、挑戦する、旅は続く。とにかくポジティブなこの言葉は、Purveyorsにとってスローガンになっており、お店の中で、イベントで実際に実践している事が本当にカッコよく、素直に尊敬できる。
このイベントに出店するにあたり、Purveyorsとコラボで作成したのがこちらのロンT。このロンTのインスピレーションソースは思想家で建築家、発明家、詩人である バックミンスター・フラーの言葉『Spaceship Earth=宇宙船地球号』。地球は宇宙の中では一つの船である。という考えで世界中の人々はその乗組員であり、その乗組員同士争うのではなく一丸となって同じ船を漕ぐことが人類と地球に調和をもたらすと唱えた人物。
Purveyorsには地球儀のオブジェも沢山あって、そこがとてもマッチしている。そしてPurveyors店内、外のシャッターに大きく描かれたグラフィックはDomingo商品でもグラフィックを手掛けてくれたChalkboyのもの。今回のロンTも全てChalkboyのグラフィックでこれもまた、Purveyors、そしてDomingoの空気感とマッチしている。この3者の雰囲気を是非感じてもらえれば嬉しい。
地球という同じ船で、僕らはFOOTBALLの楽しみを伝える旅を続け、Purveyorsも旅人達のためにまた旅を続ける。
"Venture Onward"
という言葉は人生を旅する全ての人、共通の合言葉だと思う。
旅にアクシデントはつきもの。それを仲間とどう乗り越えていくのか、その時は大変な思いもするけれど、帰り道には自然と笑顔で帰ってアクシデントが笑い話になりいい思い出になる。地球という船の一員だという事を忘れずにまた『旅のどこかで会いましょう』